保険の白い歯(CAD/CAM冠)について | 仙台市青葉区の歯科 ホワイトブライトデンタルオフィス

保険の白い歯(CAD/CAM冠)について

当院が保険のCAD/CAM冠を行っていない理由

近年、「保険で白い歯が入る」ということで、CAD/CAM冠(キャドキャム冠)が広く普及しています。
白く見た目が良いことや、保険適用で費用を抑えられることから選ばれる方も多くなりました。
一方で、実際の臨床では、脱離・変色・摩耗・二次虫歯などのトラブル相談も増えている印象があります。
当院では、患者さんに長期的に安定した治療を受けていただきたいという考えから、保険のCAD/CAM冠は導入しておりません。
ここでは、その理由についてできるだけ分かりやすくご説明します。

実際にあった症例

「1年前に他院で入れた保険の白い歯(CAD/CAM冠)が動く」という主訴で来院された患者さんがおられました。
診査すると、以下のような問題が見られました。



● 冠の動揺・冠の変色・適合不良(隙間がある)・セメント層が厚い・強い摩耗




冠は手で簡単に外れ、中には大きな二次虫歯が認められました。
また、冠の内面には劣化したセメントや汚染物が付着し、強い臭気もありました。

もちろん、すべてのCAD/CAM冠で同じ問題が起こるわけではありません。
しかし、材質的な特性上、このようなトラブルが起こりやすいことは事実です。

CAD/CAM冠とは?

CAD/CAM冠とは、樹脂(プラスチック系材料)をコンピューターで削り出して作る白い被せ物です。
金属価格の高騰や審美性への需要から、保険治療にも導入されました。
ただし、保険診療で使用されるCAD/CAM冠は、自由診療のセラミックとは材料特性が大きく異なります。

CAD/CAM冠の長所

  1. 保険適用で費用を抑えられる
  2. 3割負担の場合、比較的低価格で白い歯を入れることができます。

  3. 金属を使用しない
  4. 金属アレルギーの心配が少なく、見た目も自然です。

  5. 銀歯より審美性が高い
  6. 口を開けた時に金属色が見えにくくなります。

CAD/CAM冠の短所

  1. 強度が低い
  2. CAD/CAM冠は樹脂系材料のため、金属やセラミックと比較すると強度が劣ります。
    そのため、
    • 割れる
    • 外れる
    • すり減る
    といったトラブルが起こりやすくなります。
    特に、
    • 歯ぎしり
    • 食いしばり
    • 噛む力が強い
    • 奥歯(大臼歯)
    では注意が必要です。

  3. 摩耗しやすい
  4. 長期間使用すると徐々にすり減ります。
    その結果、
    • 噛み合わせの変化
    • 対合歯の挺出
    • 咬合バランスの乱れ
    につながる場合があります。

  5. 経年的な変色
  6. 樹脂材料のため、時間の経過とともに着色や変色が起こることがあります。
    コーヒー・紅茶・喫煙などの影響も受けやすい傾向があります。

  7. 水分による劣化
  8. 樹脂はわずかに吸水性を持つため、長期間使用すると材料の劣化や接着力低下につながることがあります。
    その結果、
    • 外れやすくなる
    • 二次虫歯
    • 臭い
    などの原因になる場合があります。

  9. 色調再現に限界がある
  10. 保険のCAD/CAM冠は使用できる色の種類に制限があります。
    そのため、天然歯のような透明感やグラデーションを再現するのは難しく、前歯部では色調差が目立つ場合があります。

  11. 長期予後のデータがまだ十分ではない
  12. CAD/CAM冠は比較的新しい保険材料です。
    材料試験データはありますが、10年・20年単位での長期臨床データは、金属やセラミックほど蓄積されていません。

当院が保険CAD/CAM冠を扱わない理由

当院では、「今だけ白ければ良い」ではなく、
  • 再治療が少ないこと
  • 長期的に安定すること
  • 歯を長持ちさせること
を重視しています。

CAD/CAM冠は短期的にはメリットもありますが、長期的には再治療リスクが比較的高いと考えています。
再治療になると、
  • 虫歯が進行する
  • 神経治療が必要になる
  • 歯質がさらに減る
  • 最終的に抜歯になる
可能性もあります。

歯は削るたびに弱くなります。
そのため当院では、「やり直しになりにくい治療」を重視しています。
CAD/CAMは届け出制のため、当院では届け出をしていないため、取り扱いは出来ません。

金属修復について

近年、金属価格は大きく上昇しています。
しかし、金属修復は長年の臨床実績があり、適合性や耐久性に優れるケースも多くあります。
もちろん、
  • 見た目
  • 金属アレルギー
などのデメリットもあります。

そのため当院では、患者さんごとに
  • 耐久性
  • 審美性
  • 費用
  • 再治療リスク
を総合的に説明したうえで選択していただいています。

当院がおすすめする治療

長期的な安定性を重視する場合、当院ではセラミック修復をおすすめしています。

セラミックは、
  • 強度
  • 耐摩耗性
  • 審美性
  • 適合精度
  • 経年安定性
に優れています。

また、再治療リスクを減らしやすく、長期的に歯を守ることにつながります。

それでも白い歯を希望される方へ

「金属は避けたいが、セラミックは費用的に難しい」という方には、自由診療の高強度CAD/CAMレジンをご案内する場合があります。
ただし、こちらも基本的には樹脂材料であるため、永久的な材料とは考えておりません。

当院では主に、
  • 矯正治療中
  • インプラント治療中
  • 将来的な最終修復までの中間修復
など、限定的な用途で使用しています。

最後に

保険のCAD/CAM冠には、
  • 「白い」
  • 「保険適用」
  • 「金属を使わない」
という大きなメリットがあります。

一方で、材料特性による限界も存在します。
大切なのは、
「白いから良い」
「保険だから安心」
ではなく、長所と短所を理解したうえで選択することです。
当院では、患者さんにとって生涯的な利益になる治療を第一に考えています。
ご不明な点がありましたら、遠慮なくご相談ください。