よくHPで、インプラントの種類によって治療費に差があるのを見かけますが、当院では何を使っても同じ料金です。上部構造だけは、審美的欲求の差異により異なりますが、外科的な埋入においては異なる事は無いからです。松竹梅の価格設定を揚げているクリニックが多いのが現状ですが、好ましい状態ではありません。その理由は、
1,治療費の差額は仕入れのインプラントの差額にはなりません。 |
インプラント治療費の内容は
- インプラント本体
- アバットメント
- 上部構造(補綴物)
- 衛生関連
- 技術
などが加味され、治療費の総額となります。仮にインプラント本体とアバットメントをふ価な物にしても、せいぜい数万円の仕入れ値の差にしかなりません。つまり、松竹梅の価格設定したところで、最終的な治療費は数万円の差にしかならないはずです。それにも関わらず、何十万円もの差で価格設定をしているクリニックが見受けられます。何故そのような価格設定をするのでしょうか?衛生管理や使用する器具や薬剤は同じはずです。仮に、それらが異なるとしたら医療の良心に反する行為です。
2,低価格で集客を狙い、高価格で高利益を狙うシステムは医療の良心に反します。 |
松竹梅の料金設定をしているクリニックは、低価格でお客さん(患者さん)を呼び水として、高額の治療費で利益を得たいのかもしれません。そんなクリニックでは絶対に松(高額)を選んではいけません。なぜなら、松の利益は梅(低価格)の薄利(もしかしたら損失)を補填している可能性があるからです。間違いなく梅を選ぶべきです。
3,特定のメーカーのインプラントだけでは100%網羅できません。 |
上記の取り扱いインプラントに記したように、それぞれ特徴がありますので、骨量、骨質、上部構造などにより、選択されます。
4,医科の人工関節やステントなどで松竹梅ってありますか? |
医科で、医療工学製品で価格の松竹梅ってありますか?聞いたことがありません。
上記の阿部の要件(1)でも記したように、マルチユニットアバットメントを介した上部構造になれば規格製品なので、埋入されたインプラントが何であっても同じ接合機構になります。つまり、異なるメーカーのインプラントでも最終的には一緒ということになります。
患者さんのためには誰が手掛けてもメンテナンス出来るユニバーサルデザインが理想!
国によって、インチネジかミリネジかの違いがあります。現在でも国際的に規格が統一されていません。インプラントをもっと普及させるには、補綴ネジの国際規格の統一をしてほしいと思っています。かつて、ベータとVHSの争いがありましたが、メーカーのエゴで消費者は振り回されました。メーカーもエゴを捨てて消費者(患者さん)優位の考えを持つべきです。
現在でもネジの種類は6種類以上あります。
この写真は、異なるネジに対応するドライバーキットです。日本の主流だけでも補綴ネジには6種類あります。この他にもニッチなものを含めるとどれだけ存在するか分かりません。
これでは、患者さんに何かトラブルが起きた時に、どこのクリニックに行っても対応は不可能です。特にHexの1.22,1.24,1.25は見た目では違いがわかりません。