取扱インプラントの種類 | 仙台市青葉区の歯科 ホワイトブライトデンタルオフィス

取扱インプラントの種類

日本で取り扱い可能なインプラント

 インプラントメーカーは世界中で100社以上もあると言われています。現在販売されているインプラントはどこのメーカーでも一定の基準を満たしているので、品質的には全く問題はありません。日本において販売されているインプラントは、厚労省の厳しい基準をクリアしていますので安心できる製品です。
 30年前に筆者がインプラント治療を始めた黎明期には、プロダクツの差異がありましたが、今はどの国の、どのメーカーが突出して優れているといった事はありません。違いがあるとすれば、使い勝手等の僅かな違いだけです。
 
 世界では、Straumann(スイス)、Nobelbiocare(スイス)、CironaDentsplay(スウェーデン)、Hiossenn(日本ではOSTEMブランドで展開の韓国の製品)の4社で世界市場の80%以上を占めています。ちなみに、C国製のインプラントもありますが、日本では(厚労省の基準を満たしていないのか?)認可されていません。

理想のインプラントとは?

1981年にTomasAlbrektsson(スウェーデン・イエテボリ大学)らが提唱した、インプラントがオッセオインテグレーション(骨と結合すること)を達成するために求められる6つの要件によると、永続的なオッセオインテグレーションを獲得するためには、
  1. インプラントの材質
  2. インプラント表面性状
  3. インプラントデザイン
  4. 骨量・骨質
  5. 外科手技
  6. 補綴・荷重条件
が重要であるとされている。
オッセオインテグレーテッドインプラントが開発されて以来、インプラント治療の成功率を上げるための研究や進歩は、その多くが上記6つの要件にかかわっています。前述の通り日本で扱うインプラントは既に上記の6つの要件を全て満たしています。
           
さらに、恒久的な使用を考えると、筆者は以下の8つの要件を追加します。
    1. 複数歯のインプラントはマルチユニットにコンバート出来るアバットメントが提供されている事。
    2. 補綴スクリューはカムアウトしにくいHexのキャップスクリューである事。理想はTruxのキャップスクリュー。
    3. 表面性状はSLAかそれに準じた処理をされている事。もしくは、Hybridである事。
    4. フィクスチャー(骨に埋まる本体)はバナジウム、ニッケルを含まないGr.4のチタン合金であること。(工業界で広く使用されるTi–6Al–4Vは補綴スクリュー以外では避けるべき)
    5. 光学印象、Digital Scanが可能な事。またそれらScan bodyが提供されている事。
    6. 補綴物はScrew retainが選択出来る事。またそれらのソリューションが提供されている事。
    7. 生体親和性にすぐれた、ジルコニア素材の補綴が選べる事。
    8. インダストリーデザインは世界中、どこのクリニックでも対応可能なUniversalDesignである事。
     2010年 Masaaki Abe


    その他にも、印象の際のセンタリングや、補綴物の締結はテーパースクリューではなくフラットスクリューである事などが列挙されます。かなり専門的な話になってきますので、おそらくインプラントに携わっている歯科医師でも理解出来る者はほとんどいないと思います。どちらかというと、機械工学、工業金属学の分野に造詣がないと、筆者の言っている意味を理解するのは困難です。
    さすがに筆者の個人的な欲求を100%満たすメーカーはありません。そこで、筆者オリジナルのセルフセンタリングの「AVEコーピング®」等を使ってメーカーの欠点を補っているのが現状です。

    当院で扱っているインプラント

    現在、当院では下記のインプラント取り扱っています。(令和元年7月1日~令和3年6月30日 3年間の当院統計)。
    どれも優れたインプラントです。それぞれ特徴があり、骨質、骨量、部位、負荷の時期等によって使い分けています。

    Starumann  社(スイス)

    特徴:万能で、部位、補綴を選ばない。
    インプラント当院での3年間の埋入本数
    Neodent
    441本
    BLT
    42本
    BLX
    12本
    TL
    14本


    Nobelbiocare 社(スイス)

    特徴:Zygoma,All-on-4などの即時加重(荷重)に適している。
    インプラント当院での3年間の埋入本数
    SpeedyGroovy
    185本
    MkⅢ
    22本
    Active
    38本
    CC
    163本
    Zygome
    24本


    京セラ 社(日本)

    特徴:上顎の粗な骨の場合に適している。
    インプラント当院での3年間の埋入本数
    Finecera
    58本


    ZimVie 社(米)

    特徴:Hybridが優れている。
    インプラント当院での3年間の埋入本数
    3I
    71本


    Biohrizon 社(米)

    特徴:軟組織のコントロールに優位性あり。
    インプラント当院での3年間の埋入本数
    Lesar-Lok
    31本


    neoss 社(スウェーデン)

    特徴:臼歯の補綴に適している。
    インプラント当院での3年間の埋入本数
    neoss
    10本


    Swedenmartina 社(イタリア)

    特徴:ティッシュ―コントロールに優れている
    インプラント当院での3年間の埋入本数
    Plama
    24本
    Premium
    31本


    DentspluyCIRONA  社(米 Astraはスウェーデン)

    特徴:応用がきく、老舗。
    インプラント当院での3年間の埋入本数
    Astra EV
    21本


    GC  社(日本)

    特徴:高品質で高い衛生管理が特徴。
    インプラント当院での3年間の埋入本数
    SETiO PLUS
    17本


    Tomen medical 社(スイス)

    特徴:高張鋼素材
    インプラント当院での3年間の埋入本数
    SPI
    10本


    Osstem 社 (韓国)

    特徴:万能でシステマチックなメーカー
    インプラント当院での3年間の埋入本数
    US
    25本
    以上が当院で埋入したインプラントの種類です。Straumann社とNobelbiocare社のインプラントで全体の約8割を占めています。
    現在、日本で認可されているインプラントには粗悪な製品はありません。上記のインプラントに優劣はありません。せいぜい術者の使い勝手くらいです。

    インプラント料金の仕組み

    よくHPで、インプラントの種類によって治療費に差があるのを見かけますが、当院では何を使っても同じ料金です。上部構造だけは、審美的欲求の差異により異なりますが、外科的な埋入においては異なる事は無いからです。松竹梅の価格設定を揚げているクリニックが多いのが現状ですが、好ましい状態ではありません。その理由は、


    1,治療費の差額は仕入れのインプラントの差額にはなりません。
    インプラント治療費の内容は
    • インプラント本体
    • アバットメント
    • 上部構造(補綴物)
    • 衛生関連
    • 技術
    などが加味され、治療費の総額となります。仮にインプラント本体とアバットメントをふ価な物にしても、せいぜい数万円の仕入れ値の差にしかなりません。つまり、松竹梅の価格設定したところで、最終的な治療費は数万円の差にしかならないはずです。それにも関わらず、何十万円もの差で価格設定をしているクリニックが見受けられます。何故そのような価格設定をするのでしょうか?衛生管理や使用する器具や薬剤は同じはずです。仮に、それらが異なるとしたら医療の良心に反する行為です。

    2,低価格で集客を狙い、高価格で高利益を狙うシステムは医療の良心に反します。
    松竹梅の料金設定をしているクリニックは、低価格でお客さん(患者さん)を呼び水として、高額の治療費で利益を得たいのかもしれません。そんなクリニックでは絶対に松(高額)を選んではいけません。なぜなら、松の利益は梅(低価格)の薄利(もしかしたら損失)を補填している可能性があるからです。間違いなく梅を選ぶべきです。

    3,特定のメーカーのインプラントだけでは100%網羅できません。
    上記の取り扱いインプラントに記したように、それぞれ特徴がありますので、骨量、骨質、上部構造などにより、選択されます。

    4,医科の人工関節やステントなどで松竹梅ってありますか?
    医科で、医療工学製品で価格の松竹梅ってありますか?聞いたことがありません。

    5,複数歯であれば、マルチレベルになれば皆同じ?
    上記の阿部の要件(1)でも記したように、マルチユニットアバットメントを介した上部構造になれば規格製品なので、埋入されたインプラントが何であっても同じ接合機構になります。つまり、異なるメーカーのインプラントでも最終的には一緒ということになります。

    患者さんのためには誰が手掛けてもメンテナンス出来るユニバーサルデザインが理想!
    国によって、インチネジかミリネジかの違いがあります。現在でも国際的に規格が統一されていません。インプラントをもっと普及させるには、補綴ネジの国際規格の統一をしてほしいと思っています。かつて、ベータとVHSの争いがありましたが、メーカーのエゴで消費者は振り回されました。メーカーもエゴを捨てて消費者(患者さん)優位の考えを持つべきです。

    現在でもネジの種類は6種類以上あります。




    この写真は、異なるネジに対応するドライバーキットです。日本の主流だけでも補綴ネジには6種類あります。この他にもニッチなものを含めるとどれだけ存在するか分かりません。

    これでは、患者さんに何かトラブルが起きた時に、どこのクリニックに行っても対応は不可能です。特にHexの1.22,1.24,1.25は見た目では違いがわかりません。